24年度ノネコ捕獲146匹 飼い主への返還過去最多21匹 奄美大島

2025年04月08日

パトロール中に撮影されたノネコ=2020年8月、大和村(環境省提供)

環境省と奄美大島ねこ対策協議会は7日、奄美大島の山中で野生化した猫(ノネコ)の2024年度捕獲状況を発表した。同年度1年間の捕獲数は146匹で23年度(161匹)に次ぎ過去2番目に多かった。首輪や(個体識別のための)マイクロチップを装着した飼い猫とみられる個体が過去最多の21匹捕獲され、すべての猫が飼い主に戻された。

 

在来種への影響が問題となるノネコの捕獲は、同省と県、島内5市町村が策定した「奄美大島における生態系保全のためのノネコ管理計画」(18~27年度)に基づき、18年7月に始まった。年々作業エリアを拡大し、捕獲用に設置した籠わなは島内で600台を超える。カメラによるモニタリングも行っている。

 

発表によると、24年度に捕獲された146匹のうち、144匹が譲渡され1匹が収容中。また1匹が収容中に死亡した。

 

同省によると、重点捕獲地域として新たに加えた龍郷町西部2地区(秋名、龍郷)や名瀬崎原地区などでの捕獲が進んだ。25年度は作業エリアに龍郷町東部(赤尾木)や奄美市笠利町、瀬戸内町西古見地区を追加し、島内全域をカバーする。過去に捕獲が進んだ地域でわなを避ける個体「トラップシャイ」が確認されており、その対策も引き続き行う。

 

作業開始から約7年間の捕獲数は計727匹になった。鈴木真理子希少種保護増殖等専門員は「エリア拡大に伴い捕獲が進んでいる状況。(条例にあるように)飼い猫の登録や、首輪、マイクロチップの装着、室内飼いなど適正な飼養をお願いしたい」と話した。

 

奄美大島ねこ対策協議会では環境省が捕獲したノネコを、認定した飼養者や譲渡団体に譲渡している。認定を希望する個人や法人、団体を随時募集しており、申請方法や提出書類などは各市町村のホームページなどから確認できる。