遠隔授業配信センター開所 多様な科目で進路実現に期待 喜界など奄美の5高校 県教委

2025年04月09日

子ども・教育

喜界高校などをオンラインで結び行った遠隔授業配信センターの開所式=8日、鹿児島市の県総合教育センター

奄美群島の五つの県立高校を対象に遠隔授業を行う、県の「遠隔授業配信センター」の開所式が8日、同センターが設置された鹿児島市の県総合教育センターであった。同センターと各高校、県教育委員会をオンラインで結び、地頭所恵教育長や喜界高校の生徒らが参加。多様な科目開設や習熟度別指導による学力向上など、センター開設により進路実現に必要な単位取得が可能となることを喜んだ。

 

遠隔授業配信センターは、専門性の高い教科などで教職員の配置が難しい離島の小規模高校に通う生徒に対し、学習の幅を広げることを目的に設置された。対象となるのは大島北、古仁屋、喜界、沖永良部、与論の5校。

 

公民、理科(物理、地学)、数学、英語、情報の5教科6科目について、県立鶴丸高校(鹿児島市)に所属する教頭、教諭の計5人が同センターに配備したモニターなどの配信機材を使い、遠隔授業を行う。9日に一部の高校で開始し、14日からすべての高校を対象に本格的な遠隔授業を実施する。5校の1~3年生約170人が履修する。

 

開所式で地頭所教育長は「高い指導力と豊かな教育経験を持った先生方が教科の専門性を生かしながら、離島の高校に通う生徒たちに向けて、分かりやすく、多面的な授業を行ってくれると期待している。生徒一人一人の学びに寄り添い、成長を支えることは対面授業と同じ。今後、各受信高校との連携を深めつつ遠隔授業のより良いあり方を示していきたい」などと述べた。

 

生徒を代表して、喜界高校普通科3年の基のどかさんと野間香澄さんがあいさつ。基さんは「(遠隔授業という)新しい方法で学ぶことにとてもワクワクしている。自分の力にできるようこれから頑張っていきたい」、野間さんは「遠隔授業で自分の興味があることを深く知りたい。地元でより多くのことを学べる機会を大事にして、夢をかなえられるよう努力したい」と抱負を語った。