シェフ×生産者が交流 東京で島食材の料理提供 伊仙町
2025年04月18日
政治・行政

徳之島産の食材を使って調理したイタリア料理とフランス料理を紹介する鈴木弥平シェフ(中央右)と後藤祐輔シェフ(同左)=16日、伊仙町伊仙のほーらい館
【徳之島総局】伊仙町がふるさと納税の返礼品として提供している「ふるさとレストラン」に新規参入する東京のシェフを招いた交流会が16日、同町伊仙の「ほーらい館」であった。「ふるさとレストラン」とは、伊仙町の食材をコース料理として提供する首都圏のレストランでの食事券。「シェフと生産者が顔の見える交流を」と町が企画した。
来島したのはそれぞれミシュランガイドで一つ星を獲得した名店、イタリア料理「ピアットスズキ」(東京都港区)のオーナーシェフ鈴木弥平さん(58)と、フランス料理の「AMOUR(アムール)」(同渋谷区)の総料理長・後藤祐輔さん(45)。
16日に来島した2人は島内の生産者の農園などを回り、畑の作物や果樹、漬物や飲料などの加工品を試食・試飲した。ほーらい館では島内の生産者を招き、実際に島食材を使ったメニューを即興で調理。調理工程も生産者に見せつつ、語り合いながら次々と料理を完成させた。
出来上がったのは島産のジャガイモを練って団子状のパスタにするイタリア料理ニョッキや、焼いたブダイを南蛮漬け風にするフランス料理エスカベッシュ、焼いた豚ヒレ肉にまだ青い島バナナとクリームチーズのソースを合わせたポワレなどの6品。
試食した生産者らは「青バナナのソースは渋みが全くなく、酸味が効いておいしい」「身近な食材がこんな料理に変わるとは素晴らしい。料理の仕方も興味深い」と感動していた。
鈴木シェフは「熟す前のビワやパパイアなど甘みと酸味がいろんな料理に生かせる。可能性を感じた」と評価。後藤シェフも「青い島バナナなど東京に出回っていない食材がたくさんあった」と語った。
一方、 両シェフは食材の物流が課題と指摘。伊仙町未来創生課の野島幸一郎課長は「島食材の新しい使い方に驚いている。これから対応策を検討していきたい」と話した。