「あっ!マングース!?」 住民へ目撃情報呼び掛け
2021年03月13日
環境省はこのほど、奄美大島で進める特定外来生物マングースの防除事業の一環で、住民に目撃情報の提供を呼び掛けるマグネットやポスターなどを作成した。マグネットは3月末までに島内の全ての小・中学生、高校生に配布する。同省奄美群島国立公園管理事務所は「マングースは根絶に向けた最終段階。島の人たちの情報を根絶の判断材料の一つにしたい」と協力を求めている。
奄美大島のマングースは1979年に毒蛇ハブなどの駆除を目的に導入され、急速に分布域を広げて希少動物を襲い、生態系に深刻な打撃を与えた。環境省の駆除が進んだことで、マングースの捕獲がない状態が約3年にわたって続き、自動撮影カメラなどによるモニタリング調査でも生息している痕跡が確認されなくなった。
同省は早ければ2023年度の「根絶宣言」を目指し、モニタリング調査のデータなどから根絶を確認する手法の検討を進めている。住民や来島者などからも広く目撃情報を収集するため、20年度は普及啓発用のマグネットとポスター、チラシを新たに作成した。ポスターとチラシは行政、商業施設に配布する。
奄美市住用町の住用中学校(小田敬介校長、生徒12人)で12日、全校生徒を対象にした環境省の出前授業があった。奄美マングースバスターズの山室一樹さんが講師を務め、わなや探索犬を使った捕獲作業の様子や、活動を続けて在来生物が回復していることなど、防除の取り組みを紹介。生徒にマグネットを配布し、「(マングースを)見つけたらすぐに連絡するように周りの大人に伝えてほしい」と呼び掛けた。
2年生の潤井あいさん(14)は「人間に連れて来られた外来種は悪くないのにかわいそうだけど、固有種を守るためには仕方ない。目撃したら連絡したい」と話した。