「健康診断」今年も良好 サンゴ研がリーフチェック 喜界島

2024年05月22日

喜界島荒木集落沖で18日に行われたリーフチェック(提供写真)

喜界島サンゴ礁科学研究所(渡邊剛理事長)は18日、サンゴ礁の健康診断である「リーフチェック」を同島荒木集落沖で行った。島内外のボランティアダイバー26人を含め30人が参加。海の底質や魚類、底生生物の生息状況を調査し、健全な状態が保たれていることを確認した。

 

喜界島でのリーフチェックは2018年に開始し、23年からは第一リフォーム(本社東京、佐藤崇浩代表取締役)や一般のボランティアダイバーが協力。同集落沖にある巨大ハマサンゴの周辺で年に1~2回行い、今回で7回目。

 

参加者は、サンゴや海藻、岩など海底が何によって覆われているかを調べる「底質班」、代表的な魚の数を調べる「魚類班」、海底に生息し、人間の採取の対象になりやすい生物を探す「底生生物班」の3班に分かれて活動。水深5メートルと10メートルの海底にそれぞれ設置した、長さ100メートルの線に沿って調査を進めた。

 

調査の結果、海底に占める造礁サンゴの割合は平均で54%と判明。シャコガイの確認数は調査開始以来最多で浅場、深場とも増加傾向が見られた。調査開始以降、海底の造礁サンゴの割合は平均50%前後で推移。過去の調査結果と比較して生態系や魚類とサンゴ類の関係性にも大きな変化は認められず、生き物たちの良好な状況が続いていると報告した。

 

調査後は懇親会を開き、ボランティアダイバーらと調査結果を共有。同研究所地域環境計画室の鈴木倫太郎室長は「長い年月サンゴが生きられる環境であったからこそ、この海域では446年もハマサンゴが生き続けている。今後も喜界島を代表するご長寿ハマサンゴが生き続けられるよう、モニタリングを続けていきたい」と話し、調査継続への協力を呼び掛けた。