スズメバチの巣相次ぎ確認 被害抑制へ調査・駆除へ 喜界町
2021年11月30日
喜界島でこれまで生息していないとされていたスズメバチが、今年8月に同町の花良治集落で確認されて以降、島内でスズメバチやその巣が相次ぎ見つかっている。町は、島にスズメバチがすでに一定数繁殖しているとみて、人的被害の抑制に向けた調査・駆除費を盛り込んだ2021年度一般会計補正予算を、来月2日開会の町議会12月定例会に提案する。
町企画観光課によると、過去にも島内でスズメバチとみられるハチは確認されていたが、個体を調べて特定したのは初めて。8月に見つかったのはコガタスズメバチで、現地で町職員が巣も確認した。
その後、町は防災行政無線や広報紙を活用して注意喚起と、ハチの巣を発見した際の情報提供を町民に呼び掛けたところ、多くの情報が寄せられた。
うち最初に見つかった花良治に続き、白水、浦原、蒲生の計4集落で合わせて5個のスズメバチの巣が26日までに確認された。人が刺される被害もあったという。
町内で害虫駆除などを行うヨネダしろありの米田信也さん(56)は「数年前にも目撃例があることから、何らかの理由で島内に入り込んでからある程度、年数が経過していると思う。たまたま昨年は大きな台風もなく、強風で巣が壊されずスズメバチにとっては繁殖しやすい環境が整い、人の目につきやすくなったのかもしれない」と推察した。
町は島外の害虫駆除の専門業者にも相談したが、スズメバチを追跡して根絶するのは非常に難しいという。有識者の助言を踏まえ、島内でスズメバチの生息域などを把握するための調査を行い、人的被害の抑制に向けて、民家など私有地以外で巣が見つかった場合の公費による駆除を検討している。
また児童らへの注意喚起を目的に、回収したスズメバチの巣をアクリルケースに保管し、町内の2小学校に展示する予定だ。
町はスズメバチと”ハチ遭わせ”しても刺激しないようその場を離れるとともに、もし「巣」を見つけた場合は、企画観光課へ情報提供を呼び掛けている。