ウミガメ上陸・産卵最少に 県19年度調査
2020年02月12日
県は11日までに、県内のウミガメの上陸・産卵状況に関する2019年度の調査結果をまとめた。県全体の上陸回数は2161回(前年度比570回減)、産卵回数は1246回(同472回減)で、統計を開始した1988年以降で過去最少だった。奄美群島12市町村では上陸988回(同95回減)、産卵671回(同42回減)と3年連続で減少した。
調査は海岸のある39市町村で保護監視員らが4~9月に実施。県全体で上陸回数は最少だった1999年の2633回より472回減少。産卵回数は調査を開始した2000年が最少の1611回だったが、19年度はこれを365回下回った。県自然保護課は、減少の理由は「不明」として、「調査を継続して推移を見守りたい」と述べた。
奄美12市町村では、上陸回数は07年度以来12年ぶりに1千回を下回り、産卵回数は11年度以降で最少だった。市町村別では与論町が上陸309回(前年度比68回減)、和泊町が産卵174回(同75回増)とそれぞれ県内で最多だった。
上陸、産卵回数は、与論町を含む6市町で前年度を下回った。和泊町で前年度を大幅に上回ったほか、4町村で前年度と同じかやや増加した。
奄美海洋生物研究会の興克樹会長によると、奄美大島では特にアカウミガメの顕著な減少傾向が続いている。興会長は餌場である東シナ海での活発な漁業活動や密漁の影響を指摘。「日本で一番上陸、産卵が多い屋久島、種子島でもアカウミガメが減少していて心配だ。地道に調査を続けて見守る必要がある」と述べた。