奄美大島ねこ対協、猫問題で漫画作成
2020年03月14日
島内5市町村でつくる奄美大島ねこ対策協議会(事務局・奄美市環境対策課)はこのほど、「飼い猫の適正な飼養及び管理に関する条例」を啓発する漫画「精霊戦隊 ネコレンジャー」を作成した。条例で定めた猫の飼い主の義務などを分かりやすく紹介している。島内の全3万2千世帯に無料配布する。
条例は猫の野生化を防いでアマミノクロウサギなどの希少な野生動物を保護する目的で、5市町村が2011年10月に施行した。
各市町村への飼い猫の登録やマイクロチップの装着、屋外で飼う場合の不妊手術などを義務付け、遺棄や野良猫への餌やりなどを禁じた。違反した場合は5万円以下の過料が科される。
漫画は島内の行政、民間の有志がイベントなどで披露した猫の適正飼養をテーマにした寸劇を基に、一般社団法人奄美猫部(久野優子代表)が制作した。猫と野生生物と人間が幸せに暮らせる社会を目指すネコレンジャーの活動を通して、条例の順守を呼び掛けている。
久野代表は「猫問題に無関心な人はまだまだ多い。猫を大切に飼うことで人間も幸せになる。深刻になりがちな問題をユーモラスに紹介している」とPRした。
5市町村の飼い猫の登録数(19年10月末現在)は4757匹。不妊手術率は46・3%と約半数を占めるが、条例で義務付けられたマイクロチップの装着率は24・9%にとどまる。
奄美大島ねこ対策協議会会長の平田博行・奄美市環境対策課長は「環境保全のためには飼い猫、野良猫、ノネコ(野生化した猫)の対策を総合的に進めることが必要。子どもからお年寄りまで幅広い層に条例を浸透させたい」と語った。