珍しいバショウカジキ上がる 角が二股、30キロ超 大和村今里沖

2024年11月08日

来島客が釣り上げた角が二股で重さ30キロを超えるバショウカジキ=4日、大和村(提供写真)

関東からの来島客が4日、大和村今里沖で角(吻)が二股に分かれる珍しいバショウカジキ(地方名・秋太郎)を釣り上げた。遊漁船を出した同村名音の勝山水産仁太丸の勝山仁太代表(31)は「ハリス14号で重さ30キロ超えを釣り上げた奇跡的な釣果。角が折れたり曲がったりしたカジキは見たことがあるが、二股は今まで見たことがない」と目を丸くした。

 

この日は午前9時ごろに、釣り客6人を連れて同村の名音漁港を出港。今里沖のポイントで、客の1人が下ろした仕掛けにバショウカジキが食い付いた。勝山代表も助けに入り、20分ほどで釣り上げたという。餌はムロアジの切り身。

 

きれいに二股に分かれている角(提供写真)

奄美海洋展示館(奄美市名瀬)の小瀬村岳飼育員(22)によると、バショウカジキはカジキの一種で、背びれがバショウの葉のように大きく広いことからその名が付いたとされる。主な生息場所は外洋だが、時折シイラなどに混じって沿岸まで回ってくることもあるという。

 

角が二股の理由については先天的な奇形か、稚魚や幼魚の頃に折れかけた所から再生した結果の可能性があるといい「いずれにせよ(二股だと)餌を取るのが難しく短命な傾向にあるので、この大きさまで育ったのは奇跡」とコメント。また同僚の話として「二股の分、本来の泳ぎができず余計な抵抗もかかり、疲れやすくなって釣り上げることができたのでは」とも推測した。

 

勝山代表によると、客は他に釣れたハタやカンパチなどを手にして、バショウカジキは〝メモリアルフィッシュ〟として勝山代表に渡して帰ったという。