生息域拡大防止で学習 外来ガエルのワークショップ開催 環境省

2023年07月03日

屋外調査で捕獲されたシロアゴガエル。線を引いたように上あごが白いのが特徴=1日、徳之島町諸田

5月に徳之島への侵入が確認された特定外来生物シロアゴガエルについて学ぶ環境省主催のワークショップが1日、徳之島町の諸田公民館で開かれた。地域住民や関係者など約30人が参加。生息域拡大を防ぐために同種の生態や特徴、他の在来種との見分け方を学んだほか、屋外での調査も実施して成体5匹を捕獲した。

 

シロアゴガエルは今年5月に徳之島町で成体や卵を確認。その後の調査で徳之島町、伊仙町など徳之島の中南部約30カ所での生息が確認されている。繁殖力が強く、人畜に害はないものの餌や生息地の競合で在来種のカエルを脅かす恐れがある。

 

ワークショップでは奄美海洋生物研究会(奄美市名瀬)調査研究員の木元侑菜さんが講師を務めた。木元さんは▽上あごが白い▽前足の吸盤が大きく水かきが無い▽ゲッゲッと他のカエルより低い声で短く鳴く―などシロアゴガエルの特徴を紹介。他7種の在来種のカエルと見分けるポイントを伝えた。

 

会場近くの諸田池であった屋外調査では、録音した鳴き声を再生し、反応したシロアゴガエルの鳴き声を確認するコールバック調査を実施。約40分の調査で20~30匹の鳴き声を確認したほか、5匹の成体を捕獲した。

 

母親と2人で調査に参加した義山駿さん(面縄中1年)は「アマミハナサキガエルなど徳之島の生物に興味があるので参加した。きょう教わったことを生かして在来種のカエルの保護に協力したい」と話した。

 

環境省徳之島管理官事務所の田口知宏国立公園管理官は「特定外来生物は移動が禁止されているので、卵などを処分する場合は近くの地面に埋めてほしい」と説明し、「生息域の確認のために卵や成体を見つけた場合は連絡してほしい」と協力を求めた。連絡先は電話0997(85)2919同事務所。