サシバ保全に向け生態調査へ クラウドファンディングで寄付募る 日本鳥類保護連盟

2023年07月19日

越冬のため奄美大島に飛来したサシバ=2月24日、龍郷町(参考写真)

絶滅が危惧されている渡り鳥サシバの調査と保全に向けて、公益財団法人日本鳥類保護連盟(東京都、小宮輝之会長)は20日から、インターネット上で資金を調達するクラウドファンディング(CF)を開始する。奄美大島に飛来するサシバの移動ルートや繁殖地を把握し、年間を通した保全計画立案・実行につなげる狙い。NPO法人奄美野鳥の会の鳥飼久裕副会長は「冬の風物詩として奄美の人にはなじみ深い鳥だが、島外では絶滅が心配されている。ぜひ関心を持ってもらいたい」と協力を呼び掛けている。

 

サシバは小型のタカの仲間で体長約50センチ。「ピックイー」と甲高い声で鳴く。東北から九州地方で繁殖し、秋ごろに南下して南西諸島や東南アジアなどで越冬する。環境省のレッドリストで絶滅危惧Ⅱ類。

 

奄美では本格的な秋の訪れを告げる旅鳥として親しまれ、2021年の調査では、国内最大の越冬地とされる奄美大島に2千羽以上のサシバが飛来していることが分かった。今回のプロジェクトでは奄美大島に飛来したサシバにGPS(全地球測位システム)発信器を装着し、衛星追跡で移動生態や移動距離などを調べる。

 

CFの目標金額は300万円。GPSの購入費や人件費、事務作業費に充てる。媒体はREADYFOR(レディーフォー)で、期間は7月20日から8月31日まで。寄付に応じてサシバをデザインしたトートバッグやエコバッグ、サシバの羽を模したアクセサリーなどの返礼品を予定している。

 

問い合わせ先は電話03(5378)5691日本鳥類保護連盟。