連携して希少種保護へ 密猟・密輸対策協議 官民14機関

2024年02月07日

世界自然遺産

オンラインで実施された密猟・密輸対策連絡会議=6日

奄美群島の希少な動植物の違法採集や島外への持ち出し防止に向けた「密猟・密輸対策連絡会議」が6日、オンラインで開かれた。官民の関係者約40人が参加。徳之島で発生した希少植物の盗掘や、国立公園内の昆虫トラップの違法設置、昆虫や両生類等の大量持ち出し事案などの報告があった。関係機関は来年度も連携して監視強化と普及啓発に取り組むとした。

 

会議は相次ぐ希少種の盗掘や密猟を受け、動植物の保護対策強化を目的に奄美と沖縄でそれぞれ設立。奄美の連絡会議は環境省、県、警察、海保、税関、航空会社など14機関で構成している。

 

会議では野生動植物の違法採取や、島外への持ち出し事案について環境省から報告があった。徳之島では2023年秋、絶滅の恐れがある地生ラン「ダイサギソウ」の盗掘被害が発生。奄美群島国立公園内では無許可での昆虫トラップ設置が12件確認された。

 

昨年は奄美・沖縄ともに昆虫類、両生類、は虫類などの空港からの持ち出しが多く確認され、特に夏から秋にかけてはクワガタ類が目立った。規制対象外の種だったものの奄美空港で1度に500匹以上の持ち出し事案もあり、生態系への影響が指摘された。

 

希少種や固有種が島外で売買されている実態や、明らかに商取引目的とみられる大規模な事案があること、市場が海外につながっている可能性なども課題に挙げられた。

 

密猟・密輸の防止対策に関する協議は非公開で行われ、各機関から昨年度実施した盗掘・密猟防止パトロールや普及啓発活動について報告があった。