外来種、効率防除へ 環境省が優先度リスト 奄美大島

2024年02月19日

 環境省奄美群島国立公園管理事務所は13日、「奄美大島における外来植物対策の優先度リスト」をウェブ上で公開した。生育地での在来・希少種との競合状況や根絶実現性、拡散しやすさなどから外来種を評価。各地域の情報集約も合わせて行い、外来植物の効率的な防除を目指す。

 

環境省によると、奄美大島への侵入が確認されている外来植物は2024年現在383種で、このうち73種が生態系被害防止外来種リストに掲載される「侵略的な外来種」。優先度リストはこれらの侵略的外来植物種を対象に、関係機関が情報を共有しながら効率的に防除を進める目的で作成された。

 

リストでは侵入状況や被害の大きさなどを踏まえ、優先度が比較的高いと考えられる26種を選定。それぞれ①積極的に島内からの防除を目指す9種②場所を限定し防除する6種③普及啓発で新たな拡散を防止する9種④情報収集に努める2種│に分類した。新たな外来種の侵入が確認された場合や、影響が深刻化した場合はリストの見直しも行うとしている。

 

外来植物対策優先度リストで積極的な防除作業を目指す種とされた「オオフサモ」

 

阿部愼太郎所長は「防除作業は継続しなければ効果が上がらない。外来植物についての情報を集約することで関係機関や個人・団体が協力しやすくなり、効果的な取り組みにつながる」と期待した。

 

優先度リストは環境省奄美野生生物保護センターのホームページ(https://kyushu.env.go.jp/okinawa/awcc/)で公開している。また、外来植物の分布状況や各団体・個人で行っている防除の取り組みなどについても情報提供を呼び掛けている。