外来種オオフサモ駆除 瀬戸内町

2021年06月01日

 特定外来生物オオフサモ

    環境省奄美群島国立公園管理事務所は5月31日、瀬戸内町古仁屋の川で特定外来生物の水生植物「オオフサモ」の調査・駆除作業を行った。奄美せとうち観光協会(松村保宏会長)の会員と同省、瀬戸内町、県大島支庁瀬戸内事務所の職員ら9人が参加。3月の駆除作業後に再生した株を回収、処分し、計画的な防除の大切さを再認識した。

 

 オオフサモは南アメリカ原産。熱帯魚水槽などの観賞目的で移入され、野外に広がったとみられる。地下茎で広がるほか、切れた根茎からも再生して増え、水面を覆いつくして生態系に影響を及ぼす。「パロットフェザー」「ヌマフサモ」「スマフサモ」とも呼ばれる。

 

駆除作業を行う参加者ら=31日、瀬戸内町古仁屋

瀬戸内町では古仁屋市街地を流れる仲里川と仲金久川の複数個所で確認されている。同町は奄美せとうち観光協会に委託し、環境省と共に3月中に数回駆除作業を行った。この日は定期調査も兼ね、環境省の呼び掛けで実施した。

 

 始めに同省の池上温人自然保護官補佐がオオフサモの特徴や駆除の注意点を説明。参加者は同町松江の仲里川中流域約150㍍を歩いて移動し、前回の作業で取り残した株や、残った根茎から再生した株を探した。回収する際は下流側に網を設置し、切れた草が流れていかないよう注意を払って作業していた。

 

 仲里川の後は仲金久川の上流に移動し、2カ所で計1時間半作業した。作業した上流域ではトンボやイモリなどの姿も見られ、参加者から「前回よりも観察できる生き物の数が増えた」との声も聞かれた。

 

 池上自然保護官補佐は「オオフサモは2、3株でも残っていると数年で一帯を覆いつくすほどになる。各機関が連携し、できることを分担しながら継続して取り組むことが大切」と語った。