白色の花から甘い香り 「梅次郎桜」が見頃 宇検村

2022年03月13日

 宇検村田検集落の山中にたたずむ通称「梅次郎桜」(ツクシヤマザクラ)が見頃を迎えている=写真。若葉に混ざり、可憐(かれん)に咲きこぼれる白色の花から甘い香りを漂わせている。

 

梅次郎桜は、樹齢約100年のバラ科サクラ属で、ヤマザクラに比べて花や葉が大きく、新葉の赤みがうすいのが特徴。大和村今里集落との峠付近で茶屋を営んでいた西山梅次郎さんが植えたものと言い伝えられる。

 

地元の人は集落から山を見上げ、新緑の中に淡く咲き誇る梅次郎桜の姿を見て、足を運ぶそうだ。友人と愛(め)でに来たという同村の泉初美さん(60)は「コロナ禍、最近は家ばかりなので、心が晴れればと思って訪れた。次は湯湾岳のソメイヨシノかな」と優しい笑顔を花に傾けていた。

 

毎年、写真撮影に訪れている人によると、今年は少し遅めの開花で、風雨の影響がなければ今週半ばまで楽しめるのではないかという。現在、田検集落からのルートは工事で通行止め。芦検集落からの迂回(うかい)となっている。