盗掘・盗採防止へ合同巡視 大型連休中の監視強化 奄美大島

2022年05月04日

昆虫トラップが設置されていないか確認する関係者ら=4月29日、奄美大島(環境省提供)

世界自然遺産に登録された奄美大島で相次ぐ希少な動植物の盗掘・盗採を防止しようと、環境省は4月29日から、関係機関との合同パトロールを島内全域で実施している。来島者が増える大型連休中に監視を強化し、チラシを配布して法令で捕獲や採取が禁止されている希少種などについて注意を呼び掛けている。

 

パトロールには環境省、林野庁、鹿児島県、島内5市町村で組織する奄美大島自然保護協議会の担当者らが参加。大型連休期間中の5月8日にかけて、これまでに盗掘・盗採が確認された場所や、利用者が多いエリアなどを巡視している。

 

奄美大島では昨年夏、昆虫採集用のトラップ(わな)の設置や、空港から野生生物を持ち出そうとする事案が急増した。世界遺産登録後の8月にも、遺産の登録区域で、自然公園法で全ての動植物の捕獲や採取が禁止されている奄美群島国立公園の特別保護地区内でトラップが見つかっている。

 

環境省奄美群島国立公園管理事務所の田口知宏国立公園管理官は「希少種の密猟が増えている現状を島内外の人によく知ってもらいたい。ルールを適正に守りながら、島の素晴らしい自然を楽しんでほしい」と話した。