金作原で車両規制 きょうから実証実験

2018年02月16日

実証実験で車両の乗り入れ規制を行う金作原へアクセスする農道=15日、奄美市名瀬知名瀬

実証実験で車両の乗り入れ規制を行う金作原へアクセスする農道=15日、奄美市名瀬知名瀬

 今年夏を見込む世界自然遺産登録による観光客の増加を見据えて、奄美市名瀬の金作原国有林周辺で16日から、利用ルールの導入に向けた実証実験が始まる。金作原への主要ルートとなる市道や林道など約9・3㌔の区間で一般車両の乗り入れを規制し、利用者に有料のエコツアーガイドの同行を求める。期間は22日までの1週間。

 

 金作原一帯は天然の亜熱帯照葉樹の森に多様な動植物が生息・生育し、「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」の世界自然遺産の候補地となっている。市街地からも近く、国有林内を横断する金作原林道は奄美大島を代表する自然観察スポットとして人気が高い。訪れる観光客は年々増加している。

 

 実証実験は、環境省、林野庁、県、奄美市など関係機関で構成する奄美大島利用適正化連絡会議が実施。利用を制限することで、自然環境を保全するとともに、混雑を緩和して観光客に質の高い自然体験の提供を図る。実証実験を踏まえて本格的な利用ルールの導入を目指す。

 

 規制区間は、金作原林道に接続する市道奄美中央線の林道入り口から東西各1.5㌔と、市道と麓の知名瀬集落を結ぶ林道知名瀬線、農道知名瀬線合わせて6.3㌔。期間中の終日、バイクを含む自家用車やレンタカー、タクシー、自転車の乗り入れを規制する。

 

 事前に登録した奄美群島エコツーリズム推進協議会の認定ガイドの車両と貸し切りバスは利用できる。同時間帯に利用できるガイドの車両台数は8台、バスは2台まで。駐車時間は120分程度とする上限を設けた。

 

 期間中は金作原林道入り口と知名瀬集落側の入り口の2カ所で、関係機関の職員が誘導を行う。公共施設や観光関連施設でチラシの配布やポスターを掲示して規制内容や利用できる認定ガイドを周知する。

 

 関係機関や道路管理者、緊急車両、森林施業や農作業のための車両は通行できる。実証実験に関する問い合わせは電話099(286)2759県自然保護課奄美世界自然遺産登録推進室、同0997(52)1111奄美市へ。