島の豊かさ再認識 奄美環境文化フォーラム
2018年10月28日
芸能・文化
奄美環境文化フォーラム(奄美大島自然保護協議会主催)が27日、奄美市名瀬のホテルであった。講話やトークセッションを通して島の貴重な自然と文化の豊かさを再認識し、世界自然遺産登録実現への機運を高めた。地元出身アーティストらが28日発売の新曲「懐かしい未来へ」を初披露。シマジマの多様性を感じさせるような個性あふれる歌声の競演に、来場者も熱心に聞き入った。
音楽を通じて奄美の魅力を島内外へ発信する「唄島プロジェクト」の一環。昨年誕生した奄美群島国立公園の特徴の一つ「環境文化型」に着目した。
朝山毅奄美市長は「誇れる共有の財産を後世へ受け継ぐことが私たちに課せられた使命」とあいさつした。
屋久島環境文化財団の小野寺浩理事長が講話した。経済浮揚や人口増の鍵となる「観光」は個性が強みになるとし、「奄美は特殊な自然と、その上に築かれた文化がある」「新しい見方で新しい奄美をつくって」と助言した。
楽曲「懐かしい未来へ」は中孝介さんやカサリンチュら奄美ゆかりのアーティストが集結。作曲家村松健さんの軽快なピアノの調べに乗せて、古里に寄せる思いや魅力を歌でつむいだ。
披露前にはトークセッションがあり、参加歌手ら6人が登壇した。我那覇美奈さんは東京で島唄を聴いたときに感じた「懐かしい」という思いから「自分の中の奄美を実感した」と語った。
幼少期から島唄に親しんだ元ちとせさんは、RIKKIさんら唄者に影響を受けたとして「誇りに思わせてくれたことが今につながっている」と振り返った。
新曲については城南海さんが「原点に帰ることができた」と話し、島唄クラブで古里の良さを学んだ中村瑞希さんは「今度は私たちが伝えていく立場」と語った。
28日は同市名瀬の大浜海浜公園野外ステージで音楽イベント「唄島ふぇすてぃばるっち。」がある。