もっと知りたい一村 田中一村美術館

2019年09月11日

芸能・文化

 「もっと知りたい 田中一村鑑賞会」。新たな作品も鑑賞した参加者=8日、田中一村記念美術館

「もっと知りたい 田中一村鑑賞会」。新たな作品も鑑賞した参加者=8日、田中一村記念美術館

  奄美市笠利町の田中一村記念美術館で8日、「もっと知りたい 田中一村鑑賞会」があった。奄美大島内外の12人が参加。新たに見つかった作品5点も鑑賞した。参加者はこれまで知られていなかった作品にも触れ、一村の作品、生きざまに思いを巡らせた。

 

 鑑賞会は11日の一村の命日に合わせた恒例企画。鑑賞会に当たって宮崎緑館長は「昨年の一村生誕100年以降、学術的に一村を分析しようとの流れがでてきた。知らなかった一村の横顔に触れるいい機会になると思う」とあいさつした。

 

 一村記念美術館の前野耕一学芸員は一村の生い立ち、東京や千葉時代、奄美時代に描いた作品の特徴を説明した。今回、見つかったのは奄美大島出身の個人が所有していた未発表作品。掛け軸「イソのヒヨドリ」「朝日に松と白梅」(いずれも仮題)と、肖像画3点。昨年7月に確認された。前野学芸員はこれらについても解説した。

 

 その後、参加者は展示物を鑑賞した。埼玉県の田淵康代さんは夫の増雄さんとともに鑑賞会に参加した。康代さんは「一村の画風が好き。NHKの番組を見て、一村のファンになった。十数年来の念願がかなった。きょうは知らない一村の話も聞くことができて有意義だった」と話した。