ノロ装束のパネル展示 宇検村、瀬戸内町で

2021年03月08日

芸能・文化

ノロ装束をデザインの視点から見直す「デザインミュージアムボックス展」=6日、宇検村

ノロ装束をデザインの視点から見直す「デザインミュージアムボックス展」=6日、宇検村

 NHK教育テレビ(Eテレ)の番組「デザインミュージアムをデザインする」と宇検村・瀬戸内町のコラボ企画「DESIGN MUSEUM BOX(デザインミュージアムボックス)展」が6日、宇検村生涯学習センター「元気の出る館」で始まった。ノロ装束についてのパネル展示とともに、世界的ファッションデザイナーの森永邦彦氏が装束に着想を得て制作した衣装などを展示している。20日からは瀬戸内町立図書館・郷土館に巡回する。いずれも入場無料。

 

 企画は、国内のファッション、建築、映像業界などの最前線で活躍するクリエーター5人が、全国の博物館や企業の私設ミュージアムを訪ね、既存の展示物をデザインの視点から見直すという内容。奄美のほか、岩手、石川、東京、兵庫でそれぞれ開催する。

 

 森永邦彦氏は1980年、東京都生まれ。早稲田大学在学中から服作りをはじめ、2003年にファッションブランド「ANREALAGE(アンリアレイジ)」を設立した。色鮮やかで細かいパッチワークや独創的な形状、新技術を用いた洋服などを発表し、国内外で高く評価されている。

 

 企画では、宇検村と瀬戸内町で展示されている奄美のノロ装束「ハブラギン」に注目した。ハブラギンは女性祭司の着物で、三角の布片を縫い合わせた模様が特徴。森永氏は奄美で調査を行い、ハブラギンに込められたデザインの意味や精神性を自身の作品で再構築した。

 

ハブラギンから着想し、太陽光で色が変化する新素材を用いて制作された森永氏の作品

ハブラギンから着想し、太陽光で色が変化する新素材を用いて制作された森永氏の作品

 宇検村会場では村が所蔵するハブラギンと森永氏の作品のほか、ノロ装束について解説するパネルも展示している。会期は宇検村会場が6~17日、瀬戸内町会場が20~31日(月曜休館)。時間はいずれも午前9時~午後5時。

 

 宇検村で14日、瀬戸内町で21日にギャラリートークがあり、渡聡子学芸員と町健次郎学芸員がノロとハブラギンについて語る。両日とも予約制で、定員は20人。

 

 申し込み、問い合わせは電話0997(67)2261宇検村・元気の出る館、同0997(72)1600瀬戸内町立図書館・郷土館。