心豊かに詩吟を披露 愛好家400人参加 奄美市で全国大会

2025年04月07日

芸能・文化

伸びやかに詩吟を披露する鹿児島吟道会奄美支部の会員ら=6日、奄美市名瀬

公益社団法人日本吟道学院(林盛神理事長)が主催する第75回日本吟道全国大会が6日、奄美市名瀬の奄美川商ホールであった。学院の45周年を記念し、奄美で初の全国大会。国内外から約400人の詩吟愛好家が参加し、心豊かに伸びやかな声を会場に響かせた。

 

同学院の会員数は全国で約5千人。東京と地方で2年に一度、全国大会を実施している。奄美での全国大会開催は2020年に予定されていたが、新型コロナウイルスの影響で中止に。全国の会員からの要望もあり、今回、念願の開催が実現した。

 

大会は奄美六調太鼓のステージで幕開け。吟詠はコンクールも含め第8部構成であり、全国の愛好者らが鍛錬を重ねた自慢の喉を震わせた。奄美関係は鹿児島吟道会奄美支部男子が「名瀬慕情」、同支部女子が「奄美路上の作」を披露。鹿児島吟道会喜界島支部は「喜界島慕情」を大島紬姿で発表した。

 

学院45周年を記念した特別構成番組「先人に学ぶ」もあり、学院創始者の故渡邉龍神氏をはじめとした吟道界のレジェンドたちの自作の詩や愛吟した詩が会員らによって披露され、参加者は吟道の奥深い世界を味わった。

 

鹿児島吟道会奄美支部長の當龍光さん(74)は「念願かなって開催でき感無量。詩吟は遠い存在に思われがちだが、好きなジャンルを入り口に興味を持ってもらえたら」と話した。

 

日本吟道学院の林理事長(82)は「奄美で実施でき、参加者一同喜んでいる。奄美の会員の皆さんはまっすぐな人柄で、詩吟にも熱心に取り組んでいる印象を受ける」と語った。