朝崎郁恵さん 奄美へ恩返しコンサート 奄美パーク

2019年06月30日

芸能・文化

第2部のステージで泥大島を身にまとい歌う朝崎郁恵さん=29日、奄美市笠利町

第2部のステージで泥大島を身にまとい歌う朝崎郁恵さん=29日、奄美市笠利町

 唄者として世界的に活躍する瀬戸内町加計呂麻島出身の朝崎郁恵さん(83)が「島唄で故郷の奄美に恩返しをしたい」と29日、奄美市笠利町の奄美パークで無料公演を開いた。東京のファンらも含め、約800人が訪れ、朝崎さんの神秘的な唄の世界に耳を傾けた。

 朝崎さんは現在横浜市在住。唄者として関東のほか米国やキューバなど世界各国で公演を重ねてきた。近年ではNHKBSプレミアム番組「新日本風土記」のテーマ曲「あはがり」などで知られている。

 同日はオープニングに大島紬の白大島に芭蕉布を身にまとい、髪には奄美のツタで編んだ冠を飾り登場。会場を神秘的なムードに包み込み、「神唄」「長朝花」「あはがり」など合計2部ステージ9曲を歌い上げた。

 ステージで朝崎さんは「故郷のみなさんへの恩返しと、島唄を歌い継いできたご先祖さまへの恩返しの思いを込め、企画した。これをきっかけに、先人の教訓の詰まった島唄を聴いていってほしい」と語った。

 来場した奄美市名瀬の屋田匡代さん(77)は「まるで神の声。何度も涙がこみ上げてきて、朝崎さんの世界に引き込まれた」と笑顔で話した。