沖縄で自身初の泥染めWS 奄美の伝統的な染色技法を紹介 龍郷町の染色家・金井さん

2024年05月02日

芸能・文化

 

沖縄の人たちに奄美の泥染めを教える金井志人さん(右)=4月19日、沖縄県今帰仁村

龍郷町の染色家、金井志人さんによる泥染めのワークショップが4月19日から2日間、沖縄県今帰仁村のカフェ「波羅蜜(ぱらみつ)」で開かれた。初日は県内各地から9人が参加し、奄美の伝統的な染色技法について学びながら、さまざまな布や衣類を染めて楽しんだ。

泥やシャリンバイ(テーチ木)など泥染めの材料は奄美から持ち込み、水は現地の井戸水を使用した。

 

金井さんは初め、龍郷町にある泥田や自身の

泥染めしたバンダナ=4月19日、沖縄県今帰仁村

工房、染色の工程を写真で見せながら、奄美の泥染めについて説明。泥染めは奄美でも川が多く、水の豊かな地域に伝わる。金井さんは、「1300年以上前の技法が今も生きているのは、当時の自然環境が残されてきたからだ」と話した。

 

また、泥染めは分業化が進んだ大島紬の30を超える工程の一部であり、一人の織り職人が泥染めを含む全工程を担う久米島紬とは異なるなど、沖縄の織物と類似する点や違いについても解説した。

 

泥に含まれる鉄分がテーチ木のタンニンと化学反応を起こして灰色に変わり、その工程を繰り返すことで深みのある大島紬の黒色に近づいていくと知った参加者は、「泥を布に塗り付けるのだと思った」「泥で着色するわけではないのか」と驚いていた。

 

実演では、白い布がテーチ木の染液でオレンジ色になり、一度中和するため石灰水に入れてピンク色に変わると参加者から「わあっ」と歓声が上がった。再度テーチ木の染液でワイン色になった布を泥水のおけに移し、泥と水をかき回しながらもみ込んでいく。参加者らは用意された布や自前の衣類を金井さんにならって染めていった。

 

自分のストールを濃い灰色に染め上げた本部町在住の女性は「渋みがあって素晴らしい。身近にこんな色になる材料はない」と喜んだ。

 

読谷村で陶芸を営む女性は、「焼き物の絵付けに使う泥とは違い、奄美の泥はとても繊細で美しく染まる。現地の泥田を見てみたい」と話した。

 

沖縄での泥染めワークショップは自身初という金井さん。参加者が和気あいあいと泥染めを楽しむ様子を眺めながら、「沖縄と奄美はよく似ているからこそ、わかる違いもあっておもしろい。県境などのへだたりなく、互いの近さを知ってもらうきっかけとなれば」と思いを語った。

 

ワークショップは、奄美、沖縄、東京の各地で活動する食や工芸のアーティストらが、それぞれの作品を持ち寄って各拠点を巡回するイベント「To→To巡回展」の一環で、東京・麻布十番にあるライフスタイルショップ「BTR」が主催した。