西郷菊次郎の人生を熱演 児童生徒らが観客を魅了 公演きょうまで 龍郷町青少年ミュージカル

2023年03月19日

芸能・文化

児童生徒たちが菊次郎の人生を熱演した龍郷町の青少年ミュージカル=18日、町りゅうゆう館

龍郷町の名誉町民、西郷菊次郎の人生を描いた町青少年ミュージカル「KIKUJIRO」(町教育委員会など主催)が18日、同町りゅうゆう館であった。島内の小学4年生から高校3年生27人が出演し、菊次郎の少年期から台湾の宜蘭(ぎらん)庁長時代までを熱演。真に迫った表現と華やかな舞台演出で観客を魅了した。

 

菊次郎は同町で1861年に生まれ、明治時代に外交官として活躍。台湾の宜蘭庁長や京都市長も務めるなど功績を残した。ミュージカルは生誕160周年を記念し昨年3月に初めて上演。2回目となる今回は新たなメンバーが加わり、約1年間稽古を重ねてきた。

18日は午後6時に開演し、約500人が来場。菊次郎の少年期を栄隼平君(戸口小6年)、青年期を政村李玖さん(18)=大島高卒=が演じ、大島高校ダンス部19人もバックダンサーとして賛助出演した。

 

舞台は2部構成。1部は父・西郷隆盛と母・愛加那のなれ初めの回顧や、薩摩藩による厳しい砂糖の取り立てに島民が苦しんだ少年期、西南戦争の負傷による右足切断などの苦難を描いた。

 

2部は台湾での宜蘭庁長時代を中心に物語が展開。日本の統治に対する反発を目の当たりにした菊次郎が、薩摩藩支配下の奄美と重ねて葛藤する場面や、父の教え「敬天愛人」を胸に台湾の人々と協力して宜蘭川の堤防建設に尽力する様子を熱演した。

 

エンディングでは全員で躍動感あふれるダンスを披露。会場に感動の輪を広げた。同町浦の谷村喬文さん(44)は「臨場感がすごく伝わってきた。とても良かった」と話した。

 

青年期を演じた政村さんは「菊次郎の思いや考えを伝えられるよう演じた。緊張したが、みんなでつくり上げたミュージカルを本当に楽しむことができた」と笑顔を見せた。

 

公演は19日も同会場で予定している。開演は午後2時。