遺徳しのび「島尾忌」 長男夫妻、孫も出席 奄美市名瀬

2018年11月14日

子ども・教育

文学碑に献花する(左から)島尾伸三さんと潤井理事長ら=12日、奄美市名瀬

文学碑に献花する(左から)島尾伸三さんと潤井理事長ら=12日、奄美市名瀬

 奄美ゆかりの作家、島尾敏雄(1917~86年)の命日当たる12日、奄美市名瀬の小俣町集会所で「島尾忌」があった。NPO法人島尾敏雄顕彰会(潤井文子理事長、会員約160人)主催。島尾夫妻と親交のあった会員、ファンら約40人が参列し、遺徳をしのんだ。

 

 開会を前に潤井理事長、島尾夫妻の長男伸三さん(70)、孫真帆さん(40)らが、旧県立図書館奄美分館長官舎(島尾家旧居)敷地内にある島尾敏雄文学碑に献花した。

 

 潤井理事長は3月25日のミホ夫人命日追悼ミサ、小宿中の「朗読と音楽のつどい」など活動を紹介しながら「今後も若い人に島尾文学を伝えていきたい」とあらためて誓った。

 

 雨天のため急きょ会場となった小俣町集会所は、かつて島尾が勤めた旧県立図書館奄美分館。あいさつで伸三さんは「懐かしさとともにまだ残っているという驚きもある。不思議なのは父が長い間けんかもせず仲良くやっていけたこと。いい職場環境だった。仕事量も多かっただろうが、大したものだと今さらのように思う」と振り返った。

 

 終了後は市内の集宴会施設で伸三さんの妻潮田登久子さん(写真家)の「土門拳賞」受賞祝賀会もあった。