大島高 スマホで受験対策
2019年03月24日
子ども・教育
県立大島高校(奄美市名瀬)で、生徒のスマートフォン(スマホ)を使った学習指導が導入され1年になる。2020年度に始まる大学入試改革に向け、2018年度の1年生が対象。かつてノートに手書きしていた生活日誌や学習記録がスマホ入力に替わり、教師や保護者とリアルタイムで情報を共有している。部活で長期遠征中でも授業の板書を共有できる機能もあり、離島のハンディ克服にも一役買いそうだ。
スマホで使用されているのはインターネット学習支援アプリケーション「classi(クラッシー)」。教育ビジネス大手のベネッセホールディングスとソフトバンクが共同出資するベンチャー企業「クラッシー」(東京都)が運営している。
アプリは▽授業▽部活▽自宅学習▽学級通信―などの面で活用。授業では約2万問の問題を活用し習熟度を授業中に確認できる。板書を教諭が撮影し、遠征中の生徒に送信することも可能だ。部活面では日誌替わりになるほか、連絡網にも使える。自宅学習では約1万本の教材動画で復習できるほか、ベネッセ主催の模試の結果を分析することができる。保護者のスマホからも一部の情報が参照できるため、学校からの連絡もスムーズになる。
一方、学校主催の定期テストの結果や生徒の出欠は、「県教育委員会情報セキュリティーポリシー」に従い、サイトに登録することはできない。
また生徒は学外でのボランティア活動や検定試験の結果をアプリに記録。記録は大学受験時に直接大学側が参照できる文科省認定の大学出願ポータルサイトに連動して蓄積される。2020年度から始まる大学入試改革で、多くの大学が参照するようになるため、大島高校でも導入を決定した。
クラッシーによると、全国4割超の高校で導入されている。大島高校によると、県内でもまだ少数で群島内で本格導入しているのは同校のみ。現在、同校でのスマホ使用は許可制となっており、寮生の一部を除き生徒のスマホ使用率は100パーセントに近い。本年度の1年生から本格導入され、2020年度に全学年での使用をめざす。
進路指導部主任の渡辺豊隆教諭は「保護者の中にはスマホ依存を助長しないかとの心配の声もあるが、バランスの取れた有効活用ができるよう指導していく」と話している。