学校行事に暗雲 コロナ下の夏休み明け
2021年08月28日
子ども・教育
夏休み中の新型コロナウイルス感染拡大が収束しないまま、奄美群島各地の学校は2学期を迎える。クラスター(感染者集団)続発の徳之島で高校2校が始業日を延期、感染確認が急増した喜界島で高校体育祭が中止になるなど、影響は長期化。多くの小中高校は9月1日に始業、同月中に体育祭・運動会を控え、開催の可否や方法を検討している。さらに1学期から延期していた修学旅行を再び先送りする動きも出始めており、学校行事に暗雲が立ち込めている。
徳之島高校は、8月26日の始業式を翌日に延期。17~23日に予定していた課外授業の中止を踏まえ、夏休みの課題整理や2学期の準備も兼ねて、26日は学年別(分散)登校とした。体育祭も準備不足などから9月5日開催を7日に変更。観覧自粛を求めた。
樟南第二高校は、始業式を8月30日から9月6日へ延期。5日予定の体育祭も開催時期が未定となった。9月中旬以降の就職試験へ向け、一部の3年生は課外出校しているが、進学志望の3年生と1・2年生全員は出校、部活動を自粛して自宅学習を続けている。
9月5日の体育祭を中止した喜界高校、福元幸一郎校長は「(コロナの)収束が見込めない中、生徒の安全確保が困難。苦渋の決断」と説明。昨年は感染対策を伴い開催したが、今年は島内での感染拡大を重く受け止め、8月19日までに生徒らへ中止を伝えた。
「感染者急増で島民の意識は一転、かなり緊張感が高い」と話すのは、喜界中学校の戸越雄一郎教頭。同校は9月1~11日、スクールバス内での感染リスクを下げるため、隣接する喜界小学校の児童と利用便を分け、学校間で時間差登校を行うことにした。
群島内の市町村教育委員会や各高校によると、高校体育祭は9月4日以降、小中運動会は同月11日以降におおむね計画されている。26日現在、喜界高校以外に中止を決めた学校はなく、各校、日程短縮や観覧制限など感染対策を講じた上での開催を目指している。
修学旅行については、多くの小中学校が1学期の計画を延期。うち9月実施を予定していた天城町の中学1校が再延期を決めた。10月以降に県本土や九州各地などを訪問予定の各校も、地元島内外の感染状況を見ながら時期や日程、行き先を慎重に検討している。
県教育委員会は20日付の県立学校向け通知で、体育祭や修学旅行などの行事について「学校生活に潤いや秩序、変化を与え、思い出に残る有意義な教育活動」と言及。実施する際は時期や場所、方法(時間短縮や人数制限など)に十分配慮するよう求めている。