伝統的な塩作り体験 児童が汐干しに挑戦 和泊町の国頭小

2020年07月08日

子ども・教育

汐干し体験をする国頭小学校の児童ら=7日、和泊町国頭の海岸

汐干し体験をする国頭小学校の児童ら=7日、和泊町国頭の海岸

 【沖永良部総局】和泊町の国頭小学校(脇田幸治校長)は7日、校区内の海岸で伝統的な塩作り「汐干し」の体験学習を行った。6年生8人が参加し、太陽に照らされて温まった岩肌に海水を掛け、水分を気化させて塩分濃度の高い塩水を作る作業を体験した。

 

 同校で20年以上続く汐干し学習の一環。6日に事前学習として、汐干しの歴史など学ぶ講話もあった。講師を務めた町歴史民俗資料館の先田光演さん(77)によると、同地区は潮風害が発生しやすく稲作に不向きだったため、生業として製塩が定着。奄美群島が日本復帰した1953年ごろまで、汐干しが行われていたという。

 

 児童たちは7日、海岸の地形に合わせて作業がしやすいように岩を削ったウシュケー(汐かけ)フンムイ(潮だまり)と呼ばれる作業場で、バケツを使って海水を何度も岩にたたきつけていた。出来上った高濃度の塩水は布でこして容器に移し学校に持ち帰った。

 

 初めて汐干しを体験したという名越任君(11)は「思ったより水が重くてきつかった。水が広がるように一生懸命掛けた。昔の人の苦労を体験できて勉強になった」と話した。

 同校では今月中に海水を煮詰めて塩を作る体験も行う予定。