地域の歴史に理解深める 児童が合同で黒糖作り 名音小と今里小

2020年06月05日

子ども・教育

石灰を加えたキビ汁のあく取りに挑戦する児童=4日、大和村の名音小学校

石灰を加えたキビ汁のあく取りに挑戦する児童=4日、大和村の名音小学校

 大和村の名音小学校(福和人校長、児童14人)と今里小学校(中村利之校長、児童7人)は4日、各校の畑で栽培したサトウキビを使い、合同で黒糖作りに取り組んだ。黒砂糖の歴史を学ぶ授業もあり、児童たちは奄美のサトウキビ栽培発祥の地とされる地域の歴史に理解を深めた。

 

 郷土学習の一環。今年3月に実施予定だったが、新型コロナウイルスの影響で延期になっていた。黒糖作りの講師は県立奄美少年自然の家(奄美市名瀬)の職員3人が務め、大和村の晨原弘久教育長が「奄美の黒砂糖の歴史について」と題した授業を行った。

 

 晨原教育長は、奄美でサトウキビ栽培が始まった経緯や、島民が苦しんだ黒糖地獄などを解説。「先祖たちがつらい歴史を乗り越えてきたことを心に思いながら黒砂糖作りを頑張って」と呼び掛けた。

 

 授業後、児童たちは二つの大釜で圧搾機にかけたサトウキビの搾り汁を煮詰め、あく取りや焦げ付かないようにかき混ぜる作業を体験。甘い香りが漂いだすと、「いい匂い」「早く食べたい!」と声が上がった。

 

 名音小2年の民歩和さん(7)は「薩摩藩はけちんぼだった。一番頭がいいと思ったのはサトウキビを隠して持ち帰った直川智さん。黒砂糖が好きなので食べるのが楽しみ」。今里小5年の岡本暢海君(10)は「作っている途中で匂いや見た目が変わっていくのが不思議。作業は大変だけど楽しい」と話していた。