女子高生が研究成果報告 大島、大島北高生も発表 科学研究オンライン全国大会 「両生類サミット」

2021年09月21日

子ども・教育

オンライン全国大会でアマミシリケンイモリに関する研究成果を発表する大島高校の藤田さん(中央)ら=20日、奄美市名瀬

 第2回高校生両生類サミット「集まれ!理系女子」が20日、オンラインで開催された。全国各地の女子高生らが両生類種の生態や生息環境、保護活動などに関する研究成果を報告。奄美市からは大島、大島北両校の生徒たちがアマミシリケンイモリの繁殖生態について発表した。

 

 大会は、高校生による科学研究の推進や相互発表を通じた交流などを目的に、岡山県倉敷市のノートルダム清心学園清心中学校・清心女子高等学校が主催。大島、大島北両校を含む全国8校が研究成果を報告したほか、専門家による講話もあった。

 

 大島高から2年の藤田にのはさん、畠山葉生さんと1年の小林珠希さん、大島北高から3年の川原つづみさん、川上寛斎さんが参加。両校の生徒は、大学教授の指導を受けながら、奄美大島に生息する準絶滅危惧種・アマミシリケンイモリを飼育、研究してきた。

 

 大島北高の川原さんは、アマミシリケンイモリの基本情報を紹介した。日本固有種のアカハライモリと比較して▽大型で尾が長い▽陸上行動が活発―などと特徴を解説。昨年11月、同種とみなされていたオキナワシリケンイモリと分類されたことも伝えた。

 

 大島高の藤田さんは、アマミシリケンイモリの産卵、生育に関する実験結果を報告。産卵時期については「少なくとも2~6月に有精卵を産み、産卵数は徐々に減った」、幼生から成体への変態については「速く体長が伸びた個体ほど早かった」と発表した。

 

 質疑応答では、生物学者らから「哺乳類では、幼少期の食事量が少なく、ゆっくり成長した個体ほど繁殖期が長いというデータもある。『その種にとって何が有利か』という視点も大切に」、「近縁種との違いに着目し、比較しても面白そう」など助言があった。

 

 発表を振り返り、藤田さんは「本格的な研究発表は初めてで緊張したが、専門家からの指摘などは良い経験になった」と語った。