母間騒動の島口劇上演 母間小

2019年11月07日

子ども・教育

母間騒動の方言劇を熱演した児童たち=6日、母間小学校

母間騒動の方言劇を熱演した児童たち=6日、母間小学校

 【徳之島総局】徳之島町立母間小学校(富田幸政校長、児童40人)の3~6年生25人は6日、同校体育館で島口(方言)劇「母間騒動劇」を上演した。薩摩藩政時代に村のために志を一つにして闘った先人たちの姿を児童らが熱演。正義を貫く「母間正直」精神の継承を誓った。

 

 母間騒動は1816(文化13)年、島役人の理不尽な米の取り立てに抗議して、亀津代官所に捕らわれた母間村の本掟(現在の区長)・喜玖山を救おうと、約630人の村人が立ち上がった農民一揆。救い出された喜玖山と住民ら15人が板付け舟で鹿児島へ渡り、藩庁に直訴した。喜玖山ら8人は遠島、1人は獄中死、6人は無罪で帰島したとされる。

 

 島口劇は母間騒動から200年の節目となる2016年に、同小で行われた記念行事のために創作され、住民らで上演した。同校では劇を継承するため17年から隔年で、児童のみで劇を実施している。

 

 劇では、児童らが台風や疫病に見舞われて困窮する村を救うため、立ち上がった喜玖山と村人の絆を描いた物語を熱演。会場に集った約60人の地域住民から大きな拍手が送られた。

 

 喜玖山を演じた6年の池田希姫さん(11)は「村を救うために立ち上がり、死ぬことを覚悟してでも薩摩藩に訴えた喜玖山や村人の勇気はすごい。『母間正直』や「母間魂」といった母間騒動の教えを伝承するため、後輩たちには劇を続けてほしい」と話した。