練習場所も避難所に サッカー通じ防災学ぶ 元プロ選手の指導も

2024年01月22日

子ども・教育

シュートの仕方を指導する大久保嘉人さん(右)と児童生徒=21日、奄美市笠利町

サッカーを通じて子どもたちが防災について学ぶ「スポーツ防災フェスタ」が21日、奄美市笠利町の太陽が丘総合運動公園であった。奄美大島と喜界島のスポーツ少年団などでサッカーに親しむ小中学生や保護者ら約250人が参加。避難に関する講座で防災意識を高めたほか、元プロサッカー選手の大久保嘉人さんによるサッカー指導もあった。

 

イベントは、サッカーの普及に取り組む一般社団法人ネルケゼーレ愛知と、龍郷町在住で防災アナウンサーとして活動する轟木未来さん(26)が共催。災害時にスポーツ施設が避難所として有効活用されることを知ってもらおうと初めて実施した。

 

前半はステージイベントが催され、轟木さんが進行を務めた。1日に石川県で発生した能登半島地震に触れながら、避難時の心構えや災害用伝言ダイヤル(171)、避難グッズなどを紹介。同市笠利消防分署によるAEDを使った救急救命の実演もあった。

 

会場では防災テントなど避難グッズを展示したほか、能登半島地震の被災地への寄付も募った。

 

後半は児童生徒たちが大久保さんの指導を受けながらサッカーで交流。大久保さんは「ボールをしっかり見て真ん中を蹴ることを意識して」などとアドバイスし、蹴り方のこつを伝授した。

 

参加した喜界中1年の若松佳奏さん(13)は「シュートの時のボールの位置などを教わった。学んだことを生かして大会でも頑張りたい」と話した。

 

轟木さんは「普段練習している場所が避難所にもなることを知り、防災について楽しく考えてもらえたら。災害時は自分の命を守る行動を優先してほしい」と語った。