認知症患者への接し方学ぶ 大島北高

2019年08月22日

子ども・教育

受容と傾聴を意識した受け答えを考える生徒=21日、奄美市名瀬

受容と傾聴を意識した受け答えを考える生徒=21日、奄美市名瀬

 県立大島北高校(奄美市笠利町、下髙原涼子校長)の接遇マナー体験授業は21日、同市名瀬の奄美看護福祉専門学校であった。情報処理科の2年生21人が参加。接遇マナーや認知症患者との接し方などを学び、将来の進路に対する意識を高めた。

 

 体験授業は奄美市の「魅力ある学校づくり支援事業」の一環。両校が連携協力した。講師は専門学校の浦口真奈美さん(ビジネス情報学科長)、谷村志寿江さん(こども・かいご福祉学科長)。

 

 谷村さんは厚労省のデータを示し、2025年の認知症高齢者人口は730万人に上り、身近に当たり前にある時代がくるなどと解説。「認知症は病気。正常に発達した知能が後天的に低下していくもの」と話した。

 

 これから多くの患者を支える世代となる生徒たちに対し、コミュニケーション能力には「自己知覚」「受容」「共感」「傾聴」があると説明。認知症患者への対応は、否定しない、逆らわないことなどが原則であるとし、▽発言をありのままに受け入れる「受容」▽発言の裏の思いにまで耳を傾ける「傾聴」―が重要だと語った。

 

 また、認知症だけでなく、日常生活の中でも使える技術として①うなずきや相づちをうつ②相手の発言をくり返す③言葉が出るのを急かさず待つ④相手の発言を要約する―などの方法を紹介した。

 

 生徒たちはアドバイスを受け、場面に合った返答の仕方を考えたほか、浦口さんから正しいお辞儀やあいさつの仕方なども学び、実践した。

 

 平千鶴さん(16)と小野有紗さん(16)は「話し方によって相手に違う印象を与えることが分かった。相手の言葉を受け入れて認知症の方とも会話を楽しくできたら」と話した。