防災の心構え学ぶ 児童生徒、豪雨を教訓に 住用小・中

2022年10月21日

子ども・教育

 

グループワークで大雨災害を想定した避難行動について話し合う児童生徒たち=20日、奄美市住用町

奄美豪雨から12年目となる20日、奄美市住用町の住用小学校(山美奈子校長、児童18人)と住用中学校(原憲正校長、生徒9人)は、同小体育館で小中合同の防災教育を実施した。講師は名瀬測候所の職員6人が務めた。児童生徒らは講義やグループワーク、奄美豪雨災害の体験者による講話などを通して、防災の心構えを学んだ。

 

防災教育は、奄美豪雨を教訓に児童生徒の防災意識を高めようと昨年から実施。小中合同で開催するのは今回が初めて。児童生徒のほか、同校区内の各集落区長や保護者など約10人が参加した。

 

初めに、同測候所技官の宇都玄紀さん(28)が防災の心構えについて講義。大雨災害から身を守るために▽地域の災害リスクを知る▽災害から身を守るための知識を持つ―ことが必要と強調し、普段から災害に備えることの大切さを強調した。

 

グループワークでは、架空の町での大雨災害を想定した避難行動のシミュレーションを体験。児童生徒らは出身地区ごと6班に分かれ、それぞれに与えられた場所や住居、家族構成を基に避難のタイミングや必要な準備などを話し合った。

 

宇都さんは「災害はまさかではなく、いつか起きるもの。自分は大丈夫と思わず、自分や大切な人の命を守るという意識を持って」と呼び掛けた。

 

最後は奄美豪雨災害を体験した同町西仲間の和田美智子さんが講話。和田さんは「胸まで水に漬かり、前も後ろにも行けない状態。流れが速く足が取られそうになった」と当時の緊迫した状況を語り、「災害では日常的でないことが起こる。普段から避難訓練や家族と話し合う機会を持ち、心の準備をすることが大切」と訴えた。

 

中学1年の濱本紫音さん(13)は「(災害時は)早めの避難が必要だと思った。家の近くには川と山があるので、家族と話し合い、どう避難するかを決めたい」と話した。