高校生目線で提言 探究学習の成果を発表 徳之島高、樟南第二高

2023年01月28日

子ども・教育

1年間の学習成果を披露した成果発表会=26日、徳之島町亀津

徳之島高校と樟南第二高校の生徒が取り組んできた「総合的な探究の時間」の成果発表会が26日、徳之島町文化会館(同町亀津)で開かれた。徳之島高2年生の6グループと樟南第二高3年生1グループが約1年間かけて調査してきた地域の課題を発表。高校生目線で考察した課題解決に向けた企画やアイデアを提言した。

 

総合的な探究の時間は「生徒が社会の変化に対応し、課題解決や自己の生き方を考えていく資質と能力の育成」が目的。徳之島高は文部科学省の2022年度「地域との協働による高等学校教育改革推進事業」のアソシエイト校に指定されている。

 

舞台発表では各校で選抜された計36人が登壇。1年かけて考察した観光や食、文化など各分野の課題解決策を提言した。選抜されなかった10グループはポスター展示でそれぞれの取り組みを紹介。大島養護学校徳之島支援教室の生徒らも亀津市街地のごみ調査の結果を展示した。

 

繁殖牛が妊娠しやすくするためのおきゅう治療に用いるもぐさ作りに取り組んだ正岡大暉さん(徳之島高2年)は「研究テーマは先輩たちから引き継いだ内容だが、島内で原料が調達できるもぐさに注目して実際に作ってみた」と説明。「結果はまだ判明していないが牛が妊娠していてほしい。協力してくれた農家の人へ少しでも恩返ししたい」と話した。

 

学生が利用できるカフェの整備を提言した窪田愛花さん(樟南第二高3年)は「学内予選よりも発表の持ち時間が長いのでより分かりやすく説明できるように工夫した」と発表でこだわった点を挙げ、「まさか自分たちが学校代表になるとは思っていなかったので緊張もしたが楽しかった」と感想を述べた。

 

審査員を務めた大阪大学大学院の佐藤功教授は「実際に現地や人を訪ねて調査し、高校生目線で地域課題や問題提起をしている点が良かった」と評価。オンラインで参加した鹿児島大学法文学部准教授の農中至さんは「学習の成果を地元へ還元したいとの思いが強い取り組みが多く、今後の探究活動で大切な視点だと感じた」と総評を述べた。