ICTで課題解決 ライブ視聴やプレゼンで学習 大島高校

2023年09月29日

子ども・教育

奄美大島の社会課題をICTを用いて解決する方法をプレゼンテーションする大島高校の生徒=27日、奄美市名瀬

奄美市名瀬の大島高校(貴島邦伸校長、生徒652人)で27日、ICT(情報通信技術)を体験しながら学ぶ出前授業があった。1年生が対象で、今月20日と27日に分かれて開催された。生徒はICTを用いた奄美大島の社会課題の解決方法を考え、プレゼンテーションを行うことなどでICTを身近に感じた。

 

中国通信機器大手の日本法人、ファーウェイ・ジャパンが2020年12月から開催するICT教育プログラム「未来の種JAPAN」の一環。奄美大島では今年1月に瀬戸内町の古仁屋高校で初めて実施された。

 

授業の前半はリモート演奏サービス「SYNCROOM(シンクルーム)」とテレビ会議システム「Zoom(ズーム)」を用いて東京、長野、韓国を遠隔でつないだライブがあり、3人のアーティストがジャズの名曲など4曲を披露した。東京からギターを演奏した池田雄一さんは「感情や気持ちを大事にしながらICTに触れ合っていくことが大切」と生徒らに語り掛けた。

 

後半は22グループに分かれて話し合い、奄美大島の社会課題をICTを用いて解決するための方法を各グループ1分間でプレゼンテーション。「宇検村に観光客を呼び込むために無人タクシーを運営する」「瀬戸内町の離島の住民が遠隔で病院の診察を受けられるように環境を整える」「SNS(インターネット交流サイト)などを駆使して伝統行事をPRする」などさまざまなアイデアが上がった。

 

授業を受けた東琉偉さん(15)は「それぞれ遠くの場所なのに、目立った通信障害もなくライブが行われて、演奏に感動。今の時代に生きていてよかったと感じた。課題を発表することで、ICTを使って自分たちにできることも意外と多いと思った」と笑顔を見せた。

 

講師を担当したファーウェイ・ジャパンの山本真斉さん(35)は「生徒たちは課題に真面目に取り組み、プレゼンも1分という短い時間の中でうまくまとめられていた。離島の課題はさまざまあるが、ICTで多くが解決できると思えるきっかけになったのでは」と手応えを語った。