安全安心な水の供給へ 東部浄水場で通水式 奄美市笠利地区
2025年02月07日
政治・行政

東部浄水場の完成を記念して行われた通水式=6日、奄美市笠利町笠利
奄美市が同市笠利町笠利に整備を進めてきた東部浄水場の完成を記念して6日、現地で通水式が行われた。安田壮平市長や市職員、市議、地元の区長ら約20人が出席。地域住民へ安全で高品質の水を安定的に供給するための新施設の完成を祝った。
同浄水場は同町東部地区にあった用、笠利、須野の各浄水場の施設老朽化に伴い、それらを統合する形で新たに整備されたもの。2018年3月に事業認可を受け、市全域(名瀬、住用、笠利)の水道事業の統合を経て、20年度に着工。総事業費約8億6100万円が投じられ、24年10月に完成した。
敷地面積は2902平方メートルで、水源であるダム水(須野ダム、大井ダム、安良ダム)の汚れを落とす薬品沈殿池や、水の濁り、細菌類、臭みなどを除去するろ過機4機、ろ過した水を蓄える浄水池などがある。管理棟には浄化前、浄化中、浄化後の水質が把握できる計測器類や、停電時でも施設を稼働させ続けることができる非常用発電機などが配備されているほか、運転状況は同市水道課(名瀬、笠利)や同市名瀬の平田浄水場からも確認できる。
給水地区は用、笠利、辺留、須野、崎原、土盛、宇宿、城間、万屋の9集落。計画給水人口は2810人で計画1日最大給水量は1473立方メートル。昨年11月から給水地区全域で供用が始まった。
通水式で安田市長は「(新施設により)一元的な維持管理とともに、地域住民の皆さまへ安全で高品質な水道水の供給が可能になる」と述べた。同市議会の奥輝人議長は「笠利地区では地形的要因により、安定的な水資源の確保に苦慮してきた歴史がある。新たに浄水施設が整備され、安定的な水の供給につながる」と期待した。
笠利2区の中村安二区長は「近代的な設備が導入され安心感がある。水もおいしくなることを期待している」と話した。