新市長は奄美2世 東京・国立市の濱崎真也市長 魅力あるまちづくりへ意欲

2025年03月05日

政治・行政

東京都国立市長選で初当選し、市役所に初登庁した濱崎真也市長=2024年12月25日(提供写真)

昨年12月15日に投開票された東京都国立市長選で、奄美2世の男性が初当選し就任した。元国土交通省職員の濱崎真也氏(40)。両親の出身地である奄美大島にもほぼ毎年訪れており、「第2の故郷とも言える親しみのある場所」と表現。「奄美のように特徴のある地域は全国にも少ない」と話す。自身が暮らす国立市については、市長として「市民らと向き合い、国立市らしいまちづくりを展開していきたい」と意欲を語った。

 

濱崎氏は、父親が大和村、母親が奄美市名瀬出身。千葉県千葉市生まれで、3人きょうだいの長男。一橋大学法学部卒業後、国交省入りし、まちづくり、高齢者住宅・在宅ケア、公共交通などを担当した。民間企業を経て、昨年12月の国立市長選に無所属で立候補し、当選した。

 

小学生時代の夏休みにはよく大和村大棚の祖父母の家に1カ月ほど滞在し、大自然の中で楽しく遊んだ記憶が今でも鮮明だ。親戚が話す「ハゲー」という言葉も懐かしく耳に残る。

「国交省時代に全国を回ってきたが、世界自然遺産に登録されるほどの豊かな自然に囲まれ、島唄などの伝統文化が残るなど奄美のような特徴のある場所は少ない。沖縄のようには観光地化しないという選択肢もある。人口減少時代は地域としての魅力を再発見し、いかに特徴を出せるかだ」と話す。

 

全国各地で人口減少が課題となる中、自身が市長を務める人口7万人余りの国立市も現役世代人口の減少が続く。

 

隣接自治体ではタワーマンションが林立して都市開発が進むが、「国立市は複数の大学が立地し、若い学生たちが住む『学園都市』としての魅力がある。ボランティアたちの市民活動も盛ん」と分析。「開発一辺倒ではなく、地域としての魅了を失わないことが市民たちに求められる時代になっている」と語り、市民との協働による新しいまちづくりへ意欲を見せた。