生徒と直球のやりとり 大島高で市長ふれあい対話 奄美市

2025年01月21日

政治・行政

生徒から安田壮平奄美市長に多くの質問があった「市民と市長のふれあい対話」=20日、奄美市名瀬の県立大島高校

奄美市の安田壮平市長と市民が意見を交わす「市民と市長のふれあい対話」が20日、同市名瀬の県立大島高校(貴島邦伸校長)であった。高校生との対話は昨年12月の県立奄美高校に続いて2校目。生徒からは市長の高校時代、都会から島に戻ってきた理由、市の課題、市街地開発についてなど多岐にわたる直球の質問がなされ、安田市長は一つ一つ熱心に答えた。

 

ふれあい対話は安田市長が掲げた公約の一つ。市民の意見を市政に反映することを目的に2022年度から実施している。今年度は4~11月に市内各地で毎月(1日2会場)実施し、加えて9月は奄美情報処理専門学校、11月は大阪市でも開いている。

 

この日は希望した大島高校の生徒51人が参加。前半は安田市長が講話し、同校の部活動やボランティア活動にも触れ、「(高校生は)将来の奄美を担う人材ではなく、すでに奄美市を担い、一緒に地域を盛り上げるパートナーだと思っている」と呼び掛け、積極的な意見を求めた。

 

後半は生徒からの質問。高校時代について聞かれた安田市長は、「高校からサッカーを始めたが練習についていけず挫折した。自分には勉強しかないと思った。(鹿児島市での)下宿中は勉強ばかりで修行僧のようだった。楽しみはラジオと週刊少年ジャンプのみだった」と回顧。

 

奄美市の一番の課題については、「経済活性化」と「人口減少しても活気が失われないまちづくり」の二つを挙げ、若い世代の帰郷にもつながる所得の上昇や、活気を出すために市民と行政の役割分担が重要とした。

 

市の理想像については、市が掲げる将来像「なつかしい未来都市」を紹介し、「社会のデジタル化が進むからこそ、アナログの魅力が増してくる。人と人の対面の触れ合いがアナログのよさ。デジタルを生かしながらも、そういう文化を残していきたい」と訴えた。

 

生徒会長の林海心さん(2年)は、居住する集落での経験から伝統文化の継承や発信に興味があるといい、「市長の話を聞き、これからどういうことをすればよいかが明確になった。生徒会長として、みんな一丸となって奄美を盛り上げ、活性化するために活動したい」と話した。