自民 尾辻氏6選 野党統一 合原氏8万票差 投票率は過去最低45・75%
2019年07月22日
政治・行政
第25回参院選は21日、一部繰り上げ地域を除いて全国一斉に投票が行われた。即日開票の結果、3人が立候補した鹿児島選挙区(改選数1)は、自民党現職の尾辻秀久氏(78)が4野党統一候補の無所属新人合原千尋氏(39)に約7万9千票差をつけ、比例代表を含めて6回目の当選を果たした。鹿児島選挙区を含む全国32の1人区で野党が統一候補を擁立し、与野党の対決色が鮮明となる中、尾辻氏は組織選挙を展開して合原氏を振り切った。無所属新人の前田終止氏(71)も届かなかった。投票率は45・75%で、知事選と同日だった前回2016年(55・86%)を10・11ポイント下回った。過去最低だった前々回13年(50・42%)も大幅に下回った。
改憲勢力が議席の3分の2を維持するかが焦点となった令和初の国政選挙。憲法改正や消費税増税、年金問題などが争点となった。
鹿児島選挙区は尾辻氏、野党統一候補の合原氏、自民党籍のまま立候補した前田氏の3人が南北600キロの選挙区を駆け巡り、舌戦を繰り広げた。
尾辻氏は、厚生労働相も務めた「厚労族」の強みを強調し、国民皆保険制度の維持など社会保障の充実を政策に掲げた。県医師連盟や県農民政治連盟など500以上の支援団体や公明党の推薦も受け、当選を果たした。
唯一の女性候補で市民団体とも連携した合原氏は、安倍政権との対決姿勢を強調。消費税増税反対や年金、子育て支援の拡充、賃上げへの取り組みなどを訴えたが届かなかった。擁立までの野党間調整の遅れなども響いた。
霧島市長や県議を務めた前田氏は、地方政治に携わった30年間の経験をアピール。1次産業や観光振興による地域浮揚を掲げ、「草の根選挙」で保守層への食い込みや票の掘り起こしを図ったが及ばなかった。
当日有権者数は137万1428人(男63万8023人、女73万3405人)だった。