農業と福祉つなぐ役割理解 関係者が研修会開催 相互のメリットなど確認 奄美市
2022年07月21日
政治・行政
農福連携人材育成研修会(県主催)が20日、奄美市名瀬の集宴会施設であった。会には福祉関係者など約30人が会場に集い、オンライン受講を含め約80人が参加。参加者は講演や事例発表を通じ、障がい者が農業の現場で働きやすい環境を整えるため、農業と福祉をつなぐ農福連携技術支援者の役割に理解を深めた。
研修会は一般社団法人ノーマポート代表理事の高草雄士さんが「農業と福祉をつなぐ人材に期待されること」と題して講演。奄美大島で多機能型事業所「あまみん」を運営するリーフエッヂ代表取締役の田中基次さんが事例発表した。
高草さんは農福連携を進めるメリットとして、農家側は経営力強化と人手不足の解消、福祉側は工賃向上と仕事の多様性を挙げ「農福連携で互いに影響を与え合い、相互に発展していくことが理想」と強調した。
障がい者が現場で働くために必要な農福連携技術支援者の役割として、▽農家が求める作業の細分化▽難易度評価▽作業割り当て│を示し、「障がい者は体調や機嫌次第で、作業効率が変わることもある。障がい者とコミュニケーションを取り適切な作業割り当てをして」とアドバイスした。
あまみんは今年、農福連携の優良事例を表彰する農林水産省の「ノウフクアワード2021」で優秀賞を受賞。田中さんは連携を通じて収穫した農産物を活用した6次産業化の取り組みを発表し、「障がい者には個性に合わせた作業のマッチングが重要。農福連携を核として利用者の働く場を創出し、豊かな地域づくりに貢献できる企業を目指す」と述べた。