「戦争二度とあってはならない」 竿田さんが体験語る 和泊中

2022年08月02日

子ども・教育

戦争体験について身ぶり手ぶりを交えて語った竿田さん=1日、和泊町の和泊中学校

【沖永良部総局】和泊町の和泊中学校(山端達雄校長、生徒157人)で1日、全校生徒を対象とした平和講話があった。講師の竿田富夫さん(86)=同町=が沖永良部島での戦争体験を語り、「戦争は人々に深い心の傷を残してしまう。二度と起こしてはならない」と訴えた。

 

竿田さんは太平洋戦争開戦(1941年)時、国民学校(現在の小学校)1年生。戦争が始まってから変わったことの一つに教育があり、「兵隊さんの勉強をするようになった。卒業したら、兵隊さんになって国のために尽くそう、と先生は教えた。国中が兵隊になるよう仕向けた」と話した。

 

「忘れられないのは急降下した米軍機の機銃掃射。耳をつんざくような音だった。一番嫌だったのは学校が燃えた時。自分の教室が燃える、こんなに悲しいことはなかった」などと振り返り、「こうして平和に勉強できる今は、島で亡くなった人や、南の島でひもじい思いや病気と闘いながら亡くなった多くの兵隊の犠牲の上にある。二度と戦争はあってはならない」と強調した。

 

講話ではこのほか、45年3月、県本土での中学受験のため乗船した輸送船で空襲に遭い、生き残った島民の体験記や、「沖永良部守備隊の歌」の紹介もあった。

 

輸送船空襲事件生存者の体験記を朗読した2年の神野尊保君(13)は「あまり戦争の事は知らなかったけれど、竿田さんの講話や朗読を通して、戦争はいけないことだと身をもって感じられた」と話した。