「涼しい」「意外に速い」 脱炭素向け、グリスロ乗車体験会 沖永良部島

2023年09月27日

政治・行政

グリーンスローモビリティを試乗する園児ら=26日、和泊町

【沖永良部総局】脱炭素社会の構築を目指す沖永良部島でグリーンスローモビリティ(グリスロ)の実証走行が行われた。最終日の26日は和泊町庁舎周辺で乗車体験会があり、園児や役場職員、高齢者など約30人が試乗し、「涼しい」「意外に速い」などと乗り心地を体感していた。

 

グリーンスローモビリティは、時速20キロ未満で公道を走ることができる電動車両。実証走行は、来年度同車両の導入を目指す知名町が交通エコロジー・モビリティ財団の「離島におけるグリーンスローモビリティの活用に向けた試走・実証調査」を活用し、約1カ月間、7人乗り車両の無償貸与を受けて行った。

 

知名町では▽昇竜洞での送迎対応▽知名町新庁舎周辺での地域住民、関係者の需要確認▽観光協会周辺で観光プログラム開発―などを目的に実証走行し、延べ約500人が利用した。知名町の担当者によると、昇竜洞では洞窟見学者が出口を出た後、入り口駐車場に置いた車まで約600メートルを歩いて戻る移動の負担が課題となっている。

 

この日、和泊町では庁舎前を発着点に2コース各約500メートルを計5回走行。試乗した女性(77)=同町=は「乗り心地は満点。今は車を運転しているので困らないが、今後運転免許を返納した場合、簡単に利用できるのであれば必要なのかも」と話した。

 

知名町役場企画振興課ゼロカーボン推進室地球温暖化対策専門職の乾大樹さんは「まず島民に知ってもらうための実証走行で、今回多くの人に乗ってもらえたのはよかった。運転手の確保、車庫や充電設備などの課題も分かった。実際運行するに当たっては、バスやタクシーとのすみ分け、関係機関との調整などステップが複数ある」と話した。