先人の功績など学ぶ 徳之島町で復帰運動勉強会 日の丸の小旗作りも

2023年10月08日

政治・行政

徳之島の復帰運動について伝える幸野善治副町長=7日、徳之島町生涯学習センター

徳之島町教育委員会などが主催する勉強会「親子で学ぶ奄美群島日本復帰70周年」が7日、同町生涯学習センターで開かれた。親子連れ約30人が受講。同町の幸野善治副町長(72)を講師に招き、戦後、日本から分離されていた頃の徳之島の様子や、復帰運動に尽力した先人の功績について学んだほか、11月5日に開催予定の復帰記念行事で使用する日の丸の小旗作りに取り組んだ。

 

幸野副町長は復帰運動のリーダーだった泉芳朗氏のほかに、亀津連合青年団長の爲山道則氏、徳和瀬青年団長で作家の前田長英氏を功労者として紹介。米軍政下の時代、歌が島民の支えとなってきたことも伝え、三味線を演奏して当時親しまれていた新民謡の「徳之島小唄」「農村小唄」などを披露した。

 

復帰記念行事で使用する小旗作りに取り組む子どもたち=7日、徳之島町生涯学習センター

母親や妹2人と一緒に受講した川畑先玄さん(亀津小2年)は「戦争の怖さや昔の徳之島の人が味わった苦労を想像して涙が出そうだった」と勉強会を振り返り、「旗作りは日の丸を上手に塗れず難しかったけど楽しかった」と話した。

 

幸野副町長は「私は復帰当時はまだ3歳で、復帰についての知識は親や先輩たちが教え聞かせてくれたもの。ロシアのウクライナ侵攻をはじめ、混沌(こんとん)とした今の時代だからこそ、復帰運動を子どもたちに語り継いでいくことは重要」と勉強会の意義を強調した。