再生可能エネも奄美の基盤に 成長戦略新ビジョンで懇話会

2022年03月23日

政治・行政

「奄美群島成長戦略ビジョン2033(仮称)」の骨子案に関する提言書を高岡会長(右)に手渡す原口座長=22日、鹿児島市

奄美群島新ビジョン懇話会(座長・原口泉志學館大学教授、委員17人)は22日、奄美の10年後を見据えた「奄美群島成長戦略ビジョン2033(仮称)」の骨子案に関する提言書を、奄美群島市町村長会(会長・高岡秀規徳之島町長)に提出した。各市町村長の同意を書面で確認した上で、今年度内に骨子を策定する。

 

成長戦略ビジョンは、奄美12市町村が一体となって群島の将来像を描き、実現に向けた推進戦略などを示すもの。新たなビジョンの期間は2024年度からの10年間。23年度末に期限切れとなる奄美群島振興開発特別措置法(奄振法)の延長や交付金制度の理論付けにもなる。

 

新ビジョンの骨子案では(1)つなぐ宝(2)稼ぐ力(3)支える基盤―を基本理念の新たな柱とし、支える基盤3分野には「ひと(教育、人材育成・確保、定住」「再生可能エネルギー」「デジタル(DⅩ、情報通信インフラ)」を掲げた。

 

提言書では「島単位での取り組み、奄美群島広域事務組合を中心とする群島一体となった取り組みについて、それぞれの責任の下で進めていく方針をビジョンで示すべき」と明記。前ビジョンと基本計画の成果検証に当たっては「総人口、若年人口の減少や国民・県民との所得格差など従来の解決すべき課題は多く残されている」と指摘し、SDGs(持続可能な開発目標)なども視野に入れた積極的な事業展開により、ビジョンの実現と計画の目標達成を図る必要があるとした。

 

提言書は、鹿児島市の県市町村自治会館で原口座長が高岡会長に手渡した。

 

原口座長は「世界が激動の時代を迎える中、奄美が自立のために10年後の姿を自ら考え、指針を作っていくことは大きな意味がある」と述べ、高岡会長は「提言を基に、10年先を見据えて新たな実績と成功事例をつくっていく覚悟。われわれもさらなる努力が必要になる」と語った。