国営地下ダム進捗84% 沖永良部島

2020年05月22日

政治・行政

国営沖永良部農業水利事業(通称・地下ダム事業)は2019年度までに、地下ダム止水壁2670メートルのうち2114メートルが完成した。管水路工事は国営分の延長44・1キロが完了。進捗率は事業費ベースで83・9%。20年度で、地下水をせき止めるための止水壁工事は完了する予定だ。国営事業の完了は21年度内を目指す。

 

 同事業は地下ダムを設け、揚水機場、用水路など基幹施設を整備。付帯事業(県事業)で末端のかんがい施設の整備と区画整理を実施し、安定的な用水の確保による農業生産性の向上や農業経営の安定に役立てる目的。

 

事業完了まで残り2年を切った沖永良部島の地下ダム工事=4月28日、知名町屋者

事業完了まで残り2年を切った沖永良部島の地下ダム工事=4月28日、知名町屋者

 受益面積は1497ヘクタール(和泊町704ヘクタール、知名町793ヘクタール)。国営の総事業費は約350億円。07年に着手した。

 

 19年度は和泊町玉城付近の白瀬朝知野支線水路の延長約840メートル、地下ダムの管理拠点となる中央管理所(知名町竿津)の建設などが完工した。

 

 20年度の事業費は20億9100万円。止水壁工事の1工区(和泊町古里と知名町余多、延長約221メートル)、11工区(知名町屋者、同約335メートル)を継続。水管理を行うため、中央管理所に機器を設置する施設整備、知名町余多と屋者の集水井へのポンプ設置、造成した施設の安全施設設置などの工事を予定する。

 

 20年度以降、地下ダムの地下水位を監視するための機器設置工事なども計画している。

 九州農業水利事業所の担当者は「現在実施している工事に関し、新型コロナウイルス感染拡大の影響はないと考えている。21年度の完了を目指し、着実に工事を進めたい」と述べた。