夜道のクロウサギに注意! 事故件数表示板を設置 奄美大島

2023年04月29日

政治・行政

アマミノクロウサギの事故件数表示板を手に交通事故防止を訴える環境省の職員=28日、大和村の奄美野生生物保護センター

国の特別天然記念物アマミノクロウサギなど希少な野生生物の交通事故を防ごうと、環境省と奄美大島自然保護協議会は、奄美大島内の関連施設や観光案内所などに交通事故件数表示板を設置した。環境省奄美群島国立公園管理事務所の阿部愼太郎所長は「ドライバー一人一人の心掛けで野生動物の交通事故死は減らしていけるはず。夜道の運転こそ気を付けてほしい」と注意を呼び掛けている。

 

アマミノクロウサギは奄美大島と徳之島の固有種で、環境省のレッドリストで絶滅危惧ⅠB類に指定されている。両島では近年、ロードキル(交通事故死)が急増し、歯止めがかからない状況となっている。

 

環境省によると、22年の奄美大島のクロウサギのロードキル件数は107件で、過去最多だった21年の62件を大幅に上回った。国の天然記念物ケナガネズミも21件と、最多だった19年の14件を上回った。

 

表示板には昨年1年間の交通事故件数と、今年1月から前月末までの事故件数のほか、事故多発道路の周知など状況に応じたメッセージを掲載する。

 

設置場所は大和村思勝の環境省奄美野生生物保護センター、同村大棚のまほろば館、奄美市住用町の奄美大島世界遺産センター、同市名瀬の市立奄美博物館、瀬戸内町古仁屋のせとうち海の駅、奄美市役所と大和村役場。随時設置場所を増やしていくという。

 

併せて、奄美野生生物保護センターはアマミノクロウサギなど希少種の事故情報を集めている。けがをした個体や死体を見つけた場合は奄美大島、徳之島の各事務所へ連絡するよう呼び掛けている。

連絡先は、奄美大島が電話0997(55)8620、徳之島が電話0997(85)2919。