大島高校生がデータ利活用賞 大島紬の振興策提案 かごしま政策アイデアコン

2020年01月28日

政治・行政

大島紬の持続的な振興について提案する(左から)伊東さん、隈元さん、箕輪さん=27日、鹿児島市

大島紬の持続的な振興について提案する(左から)伊東さん、隈元さん、箕輪さん=27日、鹿児島市

 【鹿児島総局】県内外の高校生や大学生が地域経済などに関するデータ利活用のアイデアを競う県の2019年度かごしま政策アイデアコンテストが27日、鹿児島市の県庁であった。奄美からは県立大島高校の女子生徒3人グループが、大島紬の振興策をテーマに発表。SDGs(持続可能な開発目標)の視点から、大島紬の持続的な振興策を提案し、特別賞のデータ利活用賞を受賞した。

 

 コンテストは、内閣府が運用する地域経済分析システム「RESAS」などの利活用と、データに基づき地域課題を分析できる人材の育成が目的。昨年度から開催している。本年度は高校生の部に24組、大学生の部に7組が応募し、1次審査をクリアした高校生、大学生それぞれ5組の計10組が発表した。

 

 大島高校2年生の箕輪千里さんと伊東未来さん、同1年の隈元莉緒奈さんは「SDGsの視点から考える大島紬振興の提案」と題し発表し、大島紬の生産反数の大幅減や技術者不足の推移を数値データに基づき説明。打開策として、SDGsの理念とリンクさせることで大島紬の衰退への歯止め策と紬振興による地方創生の可能性があると提案した。

 

 具体的には①高校生の制服などへの紬デザイン活用による若年層への浸透②ビジネスウエアへの紬素材やデザインの活用│など。「紬のデザインの積極的な活用で島内外への紬の魅力発信を図れる」としたほか、着用する側の立場からも「あらためて紬の価値や存在を感じて誇りに思えれば、持続可能な消費と生産につながっていく」と訴えた。

 

 他のグループも外国人労働者との共生や地域の遊休農地解消による農業振興策など、地域に特化したテーマで発表。審査員の須江雅彦滋賀大学副学長は「地域の課題をわが事として捉え、若い視点で提案している」と評価した。