奄美の観光課題指摘も 安田市長「解決へ連携を」 ピーチ要望活動

2024年01月31日

政治・行政

安田壮平市長は30日、奄美市役所で開いた記者懇談会で、24日に格安航空会社(LCC)ピーチ・アビエーションへ行った要望活動について報告した。安田市長は要望を振り返り「当たり前のように飛行機が飛び、世界自然遺産になり、すっとお客さんが来てくれる認識ではいけない。こちらから(飛行機を)使ってもらう働き掛けも必要」と述べ、官民が連携して観光の高付加価値化や本土への情報発信などに取り組んでいく考えを示した。

 

奄美大島と成田、関西両空港を結ぶ路線運航を巡っては、2023年度冬季ダイヤ(同年10月29日~)から奄美―関西が運休。週7往復だった奄美―成田は週5往復へ減便し、成田発が早朝に移行した関係で、東京近郊から搭乗するためには成田空港周辺での前泊が必要になっている。

 

要望書は「奄美―成田、奄美―関西両路線の安定的な運航と路線維持、運航時間の利便性向上」に関する内容で、奄美大島の5市町村長と商工業界、観光団体代表の連名。奄美大島5市町村の首長や行政職員ら9人は24日、大阪府内の同社を訪れ、要望活動した。

 

要望書を受け取った同社の大橋一成代表取締役CEOは「要望については可能な限り対応していきたい」と応じたという。その後行われた意見交換では同社側から「夏季繁忙期のレンタカーやバス、タクシーの不足など2次交通が課題」「梅雨時期の誘客は難しい」「沖縄との差別化を分かりやすく打ち出して」などとの指摘もあった。

 

記者懇談会で、安田市長は「行政だけの取り組みでは限界ある。民間と共に努力し、地域全体として取り組んでいきたい」と述べた。