官民連携で紬産業振興へ 着物店「やまと」と協定 龍郷町

2023年05月20日

政治・行政

龍郷町ソーシャルアクションパートナー協定書に署名した同町の竹田泰典町長(左)とやまとの矢嶋孝行代表取締役社長=19日、同町役場

龍郷町は19日、着物専門店を全国展開する「やまと」(本社・東京都、矢嶋孝行代表取締役社長)と官民連携で地域課題解決を図る「龍郷町ソーシャルアクションパートナー(T―SAP)協定」を締結した。本場奄美大島紬の産地と売り手という縁により、紬関連の産業振興や同町の魅力発信などを推進する。町役場で協定締結式があり、紬振興を軸とした地域活性化へ問題意識を共有した。

 

同社は1917年に創業し、全国で78店舗を展開。矢嶋社長によると、本土産を含む大島紬は主力商品の一つで、創業以来、おおむね累計20万反を売り上げている。奄美大島での産地研修も20年以上継続しており、今回も協定締結式出席と併せて実施した。

 

協定締結の背景にあるのは、生産反数減少が続く本場奄美大島紬の伝統技術や文化の衰退に対する懸念。この課題解決へ向けて推進する同協定の主な内容は▽本場奄美大島紬の魅力発信▽(紬の産地である)龍郷町の歴史・文化と魅力発信―などとしている。

 

締結式には町、同社双方の関係者40人余りが出席。竹田泰典町長は「紬は基幹産業として島の発展を支えた。伝統継承へ向けて協定は心強い」と期待を述べた。矢嶋社長は「さらなる紬の産業振興と魅力発信へ、産地と連携を深めたい」と気持ちを新たにした。